まず最初の病気は腰痛から始まりました。ちょうど大阪城の梅を見に行った頃、朝起きるとぎっくり腰のような痛みで立ち上がることができず。家の中を歩くのもつかまり立ちしながらやっと動ける感じ。いつものぎっくり腰なら日に日に良くなって1週間程度で完治するんですが、今回は全く治る様子もなく1週間過ぎます。これはおかしいと思いましたが、病院に行けないほどの痛みで結局2週間近く経って少しマシになったところでようやく整形外科に行き、MRI検査をすると腰椎椎間板ヘルニアということでした。
実は年に一回くらいはぎっくり腰をやっていて、いつかは来るんじゃないかと思ってたんですよね。
画像を見るとネットで検索したときに見たのと全く同じように椎間板が飛び出て神経を圧迫する様子が写っていました。幸いわたしはまだ軽症のようで、足のしびれなどもなく、圧迫されている神経の太さにもまだ余裕があるということです。
椎間板ヘルニアというと手術を思い浮かべる人もいるかも知れませんが、ほとんどの場合は保存療法、つまりリハビリや痛み止めを飲みながら自然に治るのを待つのが一般的なようです(直接治すような薬はない)。それでも治らなければ手術ということになります。
病院でコルセットと痛み止めを何種類かもらい、3週間を過ぎたあたりから徐々に歩けるようになりました。
やっと普通に生活できるかと思っていたところ、今度はなんだか熱っぽい。熱を測ると38度。そのうち口内炎もできてきました。もしかしてコロナかなと思いましたが、2、3日寝てれば治るだろうと思ってたのが熱が38.7度とかで全く下がりません。
そのうち舌の口内炎がとんでもない大きさになって真っ白で周辺が黒っぽい。自分で見るのも気持ち悪いくらいで、痛くてご飯もほとんど食べれません。そして舌先が使えないのでまともに喋ることもできません。これはやばいと思ってましたが、熱のしんどさと栄養が取れてないこともあって体力がどんどん低下し、病院を探す気力もありません。
ここでまず言っておきたいのが、コロナのせいで今熱が出ていると診てもらえる病院は限られているということです。病気になったときに行くのが病院なのになんだか本末転倒な気がしますが、現状はそうなのです。
5日目くらいになっても熱は下がらず口の中の潰瘍もますますひどくなってきて体力的にもこのままでは死ぬなという所まで来たので、気力を振り絞ってまず発熱していても診てもらえる病院から探します。大阪府のHPから一覧に載っていた家から5キロ位のクリニックに断られるのを覚悟しながら電話してみます。舌が痛くなかなかうまく喋れない中、なんとか病状を説明すると「今すぐ来てください」という返事が。もうそのときはほんとに死にかけていたので「神様か?」と思いました。
ここで問題になるのが病院までの移動手段です。発熱している状態で電車・バスに乗るのは感染拡大するかもしれないということでマナー違反でNG、体力的にも無理です。タクシーも同様です。結局自力で行くしかないんです。フラフラの状態で行けるのか?と思いましたが、たまたま近くに住んでる兄弟が車で連れてってやると。それがなければ病院行けませんでした。
ここでまとめると今発熱すると病院探しと移動手段でかなり困るということです。自家用車所有で同居の家族がいる人はいいですが、それ以外の人はいざというときのために予め考えておいたほうがいいです。コロナが5類に移行すれば状況は変わるかもしれませんけどね。
で、そのクリニックに行くと先生が「今熱があるとなかなか診てくれるとこないんですよね」と。すごい優しそうな先生に「そうなんですよ」と渾身の同意を込めましたが、思ってたよりひどい状態なので、大きい病院で検査したほうがいいと。結局紹介状をもらって次の日に日赤病院で診察、その日に入院することになりました。
この前MRIをやったばかりなのに今度は造影剤CTをやることに。診断は帯状疱疹ということでした。帯状疱疹というと皮膚の表面にできるイメージでしたが、口内にもできるんですね。とにかく痛くて何も食べれないので口内にできると最悪です。一度ですがネバネバの出血もあって口の中がホラー映画のようにもなりました。
入院中は朝から寝る前までずっと栄養剤と抗ウイルス剤の点滴で、移動するのも点滴スタンドをコロコロ転がしながらの移動です。よくドラマで見るやつです。トイレ行くのも顔洗うのもずっとです。4人部屋なんで離れた場所にあるトイレに行くのは大変だと思ってたところ、他の患者に移すかもしれないということで個室に移動になりました。病院都合なので個室代は免除されます。ラッキーです。
病棟の個室はとにかく快適で、何が一番助かったかというとトイレと洗面台が部屋の中にあっていつでも遠慮なく使えることです。とにかく点滴チューブが常に付いてるので移動が面倒ですが、トイレも部屋にあるのですぐ行けます。あとどうしても口が痛いのでうがいを何度もするし、歯磨きも時間がかかるので24時間すぐ使える洗面台も助かりました。シャワーも大部屋だと予約が必要ですが、個室はいつでも使えます。テレビも冷蔵庫も大部屋だと別途プリペイドカードを購入しないといけないんですが、個室は無料で使い放題。部屋は常に暖かく、洗面台の水も常に温かい水が出ます。さすが病院です。これだけ快適だと次入院するときは個室にしたいところだけど、この病院の場合、部屋代だけで15000円/日いるので保険に入っていないと結構痛いですね。世の中銭ですね。
最上階で部屋からの見晴らしはいい。最初の大部屋は山側で静かだったけど、こちらの個室は線路沿いで夜中でも電車の音が聞こえる。
入院中は朝晩2回、交代で「今日担当の〇〇です」と看護師さんが来て気にかけてくれるし、3食昼寝付きで天国でした(笑)看護師さんはほぼ毎回違う人で最初の3日くらいはみんなに口の中を見せてもらえますか?と言われます。勉強のためですかね。かなりグロテスクなんで普通の人なら「うわっ」と驚くところを、さすがプロなんで患者の前でそんな表情もせず冷静に見てくれます。「痛そうやねー」といってくれるだけで癒やされます(笑)ナース用カートの上に乗せているPCに患者から聞き取った情報をパチパチと打ち込んでいます。患者の状態などの情報を一元管理しているのでしょう。
ドクターも毎日来てくれて説明もわかりやすいし、優しそうな先生です。主治医は耳鼻科でしたが、皮膚科の先生も来てくれました。
とにかく部屋から出るなと言われたので、ペットボトルの水なども看護師さんにお金を渡して買ってきてもらうことになります。毎日なにか必要なものはありますかと聞いてくれます。食事も運んでくれるし、点滴も早朝から夜の10時まで何回か来てくれます。来る度に胸ポケットに入れたPHSがずっとブーブーなってます。24時間体制の大変なお仕事ですね。2回ほど食事が来なかったことがありますが、まあ仕方ないでしょう(ナースコールして持ってきてもらった)。どの病院も人手不足でしょうから。
食事は流動食です。3食とも重湯に具なしの汁物、栄養補助飲料とフルーツゼリー。朝だけこれに牛乳とヤクルトが付きます。ほぼ飲むだけのものですが、結構お腹はいっぱいになる。途中で3分粥(すこし米粒が入ったおかゆ)にチャレンジしたけど、やっぱり食べれなくて流動食に戻してもらいました。入院中の唯一の楽しみがゼリーでしたね。これだけ美味しく食べられました。
一度夜中に大きな音量で「〇〇号室、緊急対応お願いします!」というアナウンスが流れて緊迫しました。紹介状必須の拠点病院なのでやはりそれなりに重症の患者も多いんでしょう。
入院9日目。熱も下がり、舌の色もほぼきれいになってきて退院許可が降りる。まだ流動食しか食べられなかったけど、家のほうが何が食べられるか探りながらできます。ナースステーションに挨拶して帰ろうと思ったけど、誰もいませんでした。やっぱり忙しいんですね。
あと入院中ずっとベッドで寝てたせいか、椎間板ヘルニアで痛めてた腰も完全に治ってました。入院初日はまだ少し痛かったんですけどね。ただ退院して普通に生活するようになるとまた軽く痛い日もあったりします。もうこれは持病ですね。
ということで最後は入院生活の思い出話になりましたが、入院当初は体もしんどかったですが、後半は色々勉強にもなって楽しかったです。家に帰った初日はなんか寂しい感じでした。毎日看護師さんに相手してもらってましたからね(笑)
帯状疱疹ウイルスは日本人の90%が感染していて普段は免疫で抑えられていますが、ストレスや疲れで免疫が低下すると発症するらしいです。コロナ禍で心身ともにストレスを抱える人も増えて患者も増えているようです。特に50代以上から多くなるそうで、私もちょうど50代なのでバッチリ当てはまりました。
ちょうど今テレビで帯状疱疹ワクチンのCMが流れてますが、50代以上の人はやっといたほうがいいかもしれませんね。ちょっとお高いですが自治体によっては補助も出るようです。参考になれば幸いです。
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