使い捨てカイロより温かくて愛着が湧く!再注目される懐かしのハクキンカイロ(ミニ)レビュー
ハクキンカイロについて
石油から精製されるベンジンを燃料にした再利用可能なカイロです。
子供の頃に親父が使っていた記憶がありますが、今なお現役で多くの人に愛されているハクキンカイロ。since 1923ということなのでちょうど100年前の大発明です。これがなんと地元大阪の会社なんですよね。
子供の頃使い捨てカイロが出てきた頃は衝撃を受けた記憶がなんとなくありますが、当時の大量消費の使い捨ての時代からSDGsとか言われる時代になり、一周回ってまたハクキンカイロが見直される時代になったということでしょうか。釣り人やバイク乗りなどの人たちには定番だったようですが、キャンプブームなどもありこの数年で売り上げは1・5倍以上になっているとか。『ゆるキャン△』にも出てくるのも大きいですね。
メリットは使い捨てカイロの13倍という熱量とゴミが出ないこと。氷点下など厳しい寒さの中でも使えて最後まで熱が安定していることですね。
サイズがスタンダードとミニがあり、今回はミニを購入。火口は共通でベンジンの搭載量が少なくなるだけで熱量は同じ。18時間も持てば十分だし、首から掛けたかったので小さい方を選びました。
内容一覧。発売時の大正時代を思わせるパッケージのイラストがそそる。
使用手順
ピンクのカップをセットし、ベンジンを注ぐ。カップ一杯で12時間、半目盛りで6時間分入れました。
カップをひねるとスーッと本体の中綿に染み込んでいきます。面白いギミックです。
ベンジンが完全に染み込んだか確認します。余分なベンジンがあると危険とのこと。
プラチナ触媒が入った火口をセットしてライターの火で炙ります。火口は上に向けて炙ること。下に向けて直接火が当たると劣化してしまいます。
化学反応が始まると暖かくなるのがわかるのでフリース袋に収納。時間が経つと熱くて手で直接持てなくなります。
閉じ口は面ファスナー。紐を通せるようになっています。
ダイソーのロングストラップが優秀。長さを調節できるし、ループの先を着脱できます。
ケースにストラップを付けたところ。背中に当たるように首に掛けます。ワンタッチで手持ちにもできます。
使ってみた感想
実際に使うとほんとに熱量が高く温かい。外に出しても冷めにくい。そりゃケースに入れないと熱くて持てないくらいですからね。ベンジンを半キャップ(6時間分)入れて家の中で使用してみましたが、5時間経ってもまだ熱い。あと1時間で終わるのに、むしろ使い始めより熱いです。使い捨てカイロだと徐々に温度が下がりますからね。
そしてちょうど6時間くらいすると急に冷めてきました。ほぼスペック通りの持続時間ですね。使用環境やベンジンの種類にも左右されるようですが期待どおりです。
背中は人間のラジエーターだと言われますが、やはり背中や首筋に当てると体全体が暖かくなります。しばらくするとちょっと熱すぎて、手に持ったりズボンのポケットに入れてる分にはいいんですが、背中や首に当てていると位置をずらしたり、布をもう一枚巻いたりして工夫しないと低温やけどしそうなくらいです。
今回サイズがミニですが、よく考えると火口がスタンダードと同じで発熱量も同じだとすると、面積あたりの温度はミニのほうが高くなるのかもしれません。
外だけじゃなく家の中で使ってもぽかぽか暖かいんで、暖房も軽減できて節電につながります。夜寝るときに布団に入って3時間とかだけ使うこともできるんですよね。首を暖めると気持ちよくて眠気を誘います。
使い捨てカイロと比べてデメリットは体に貼れないのと、ほのかに石油系の匂いがすることがあるのと、ベンジンを入れる手間ですかね。
カイロベルトがあると腰、腹、肩に固定できるし、匂いはたまにかすかにする程度でよっぽど嫌いでない限りでない気になることはないと思います。ベンジンを入れる手間は人によっては楽しい工程です。
熱すぎるときには空気穴を塞いで温度調節
熱すぎる場合は温度調節するためにアルミテープなどで空気穴を適度に塞ぐという方法があります。取り込む酸素を減らすことで燃焼が抑えられ、持続時間も長くなるので経済的です。
サイズはスタンダードとミニどっちがいいか
正直ミニは少し小さかったかなという印象。手のひら全体を暖めるにはもう一回り大きい方が頼りがいがあるように思います。首に掛けるのもスタンダードでも問題ないかなという気がします。
価格もほとんど変わらないので初めの1個目を買う人やサイズを迷っている人は迷わずスタンダードがおすすめですね。わたしももう一つ欲しくなってきたので次はスタンダードを買い足すつもりです。
カイロ用ベンジンをどこで入手するか
燃料は普通のベンジンではなくカイロ用のものを使う必要があります。薬局やホームセンターにあるということなんですが、売っている店は結構少ないです。店をはしごするか、送料はかかりますがネットでまとめて買うしかありません。
わたしはビバホームで入手。公式ページでも店舗の在庫確認ができます。ビバホームはこれまたなかなか売ってる店が少ないアルコールストーブ用の燃料(コーヒー沸かし用のアルコール)も置いていて、私にとってはすごくありがたいホームセンターです。
ビバホームで売っているトーヤク製のカイロ用ベンジン。お値段も税込み638円とお得。ハクキンカイロ公式による指定ベンジンではないですが、特に問題ありません。Amazonでは他社ベンジンと比較して匂いが一番少ないというレビューも。ベンジンによって持続時間や温度、匂いが変わるようです。
コストについて
使い捨てカイロとランニングコストを比較するのは価格もピンキリで難しいですが、個人的に計算すると2022年現在で
貼るカイロ(12時間)30個 602円→1個約20円(コーナン)
ハクキンカイロのベンジン 500ml 638円(ビバホーム)
ハクキンカイロ用カップ1杯12.5CCで12時間なので
500ml÷12.5cc=40回分
638円÷40回=約16円(12時間)
ということになります。(すべて税込み)
ベンジンだけならハクキンカイロのほうが安いのですが、最初に本体が約3600円、消耗品の火口が1シーズンから2シーズンで交換、1個825円必要です。
2シーズン使うとしても825円÷180日で1回につき4円。16円+4円=20円で使い捨てカイロと同等になります。本体価格は入れていません。
結論として使い捨てカイロと同等か、少し高いことになりますが、熱量とかゴミが出ないことを考えれば全く問題ないですね。むしろ多少高くてもハクキンカイロの方を使いたいですね。
持っているだけで愛着が湧くガジェット
メイドインジャパンの真鍮の作りが美しいボディ。戦前から変わらないデザインというピーコック(孔雀)模様の空気取り入れ口。
ギア好きなキャンパーに愛されるのも頷けます。
ということで、これからの寒い時期に活躍してくれそうなハクキンカイロでした。極寒でも安定した高熱量という性能だけでなく、愛着が湧くガジェットとしての価値もあります。使い捨て以外だと今は充電式の電熱カイロもあるんですが、持つならやっぱりこっちですよね。
これからの季節、自転車は走れば暖かくなってきますが、休憩中にも使えるし、バイクや釣り、登山、キャンプ、スキーなどのアウトドアには欠かせないアイテムだと思います。年末年始の行事のお供にもどうぞ。
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